産地:大阪 品種:巨峰・メルロー・マスカットベイリーA(すべて大阪府 産100%)
キュベにかけた思い
『自分たちの黒ブドウでヴィンテージごとの“大阪の赤”を表現したい』私たちが自社畑で育てている黒ブドウは、メルロー•マスカットベイリーA・巨峰。これらの品種で、その年によって香りやボディ、酸のバランスをみながらアッサンブラージュし「大阪の赤」の表現に挑戦しています。
🔳ブドウ&ワイン作り
『21年は巨峰のチャーミングな香りを活かす』フジマル自社畑に少しだけ混植してある立派な巨峰は、小粒で香りが強く酸の綺麗なブドウを実らせます。これをさらに陰干して凝縮させてから、キュートな香りを より 引き出すマセラシオン•カルボニックで仕込みました。これに落ち着いた味わいが出てきた谷間の斜面畑のメルローと少しだけマスカットベイリーAをアッサンブラージュして味わいの背骨にしました。巨峰の魅力的な香りと酸を 主役に立てつつ、軽やかになりすぎないように、マスカットベイリーAとメルローに裏方で支えてもらった、チャーミングな「大阪の赤」です。
🔳ラベルコンセプト
全身に広がる酩酊の、無重力に浮いている様な感覚を絵にしました。私の絵にはストーリーが存在していて欲しいので、海の中の様な世界観で描くことにしました。月が真珠の様な配置で海の中の様な世界に存在しています。水面には太陽の光が差し込んで、気持ちよくたゆたんでいる人魚。上と下、表と裏、右と左、宇宙と地上、当たり前を覆す自然の不思議や脅威を奥底のテーマとして制作しました。飲み口のフレッシュな感覚をカラフルな色彩で表しています。顔はアップにしてみるといい笑顔してます。でも印刷では小さすぎてあまりわからないかもしれません(虫メガネで見たらわかると思います)。エチケットを見た人は不思議なポーズをした肢体。頭どこいった?どんな表情?よくわからないけど、背景なんかはめちゃハッピーに見えるからこのワインはハッピーか、意味深だな...と、解釈してもらえたら興味を引けたという面で成功です。そしてこの絵は上下逆にしても成り立ちます。横に寝かしてもいいかもしれません。詰めた想いを全て見せない、深く愛した人しかわからない、そういう絵です。
(デザイナー: えりつぃん)
🔳テクニカルノート
巨峰は2週間陰干ししてから手除梗し、15日間の セミMC法の後バスケットプレス。メルローとマスカットベイリーAは混醸で、除梗破砕後に12%セニエして毎日1~2回ピジャージュをしながら野生酵母で10日間の 醸し発酵。どちらも主発酵終了後、フレンチオークの古樽にアッサンブラージュして10ヶ月熟成。巨峰:メルロー:MBAの比率は、65:30:5。瓶詰時に10ppmのみ亜硫酸塩を添加。
原料:巨峰・メルロー・マスカットベイリーA(すべて大阪府 産100%)
フジマル醸造所(島之内・清澄白河)の成りたち:
2010年、ワインショップFUJIMARUやカーヴ・デ・パピーユなどワインショップを経営する株式会社パピーユが、ボランティア数名とともにカタシモワイン&フード(通称カタシモワイナリー)より、柏原市大県(おがた)にある『堂の内畑』(マスカットベリーA)を借り受け、カタシモワイナリー内にて委託醸造を開始、『ドメーヌ・デ・パピーユ』ブランドのスタート。2011年、耕作放棄地であった『岩崎谷畑』を大阪府の外郭団体みどり公社の斡旋で地主さんより借り受ける。再開墾し垣根仕立てのぶどう畑(メルローなど)を造成。2012年、高井田にてデラウェアとベリーAの畑を新たに賃借。また、羽曳野市の飛鳥ワインにて太子町のデラウェアを委託醸造。2013年、大阪市中心部、島の内にて醸造所を設立。自社畑産ブドウのほか大阪や日本各地から買いブドウを仕入れて醸造しています。日本でも類を見ない都市型ワイナリー『島の内フジマル醸造所』です。2013年以降はすべて島之内フジマル醸造所にて醸造。そして2015年8月には東京・清澄白河にフジマル醸造所をオープン。こちらではおもに東日本のブドウ栽培農家さんから原料葡萄をわけてもらって醸造しています。
ぶどう造り:
約2haの自社管理畑のブドウから造ったワインは「キュベパピーユ・シリーズ」としてリリースしています。その他に日本各地から質の良いブドウを仕入れ醸造を行っています。自社管理畑ではボルドー液以外は年に2~3回ほどの防除のみと減農薬を心がけ、農作業はすべて手作業で注意深く行いました。収穫されたブドウは選果、粒よりし健全な粒のみを使用。ワインをお飲みになるお客様の顔を想像しながら、スタッフとボランティアの方々とで力をあわせワインを造りました。本当にたくさんの人に手伝っていただいたおかげで私たちのワインは出来上がっています。