ソムリエ目線でのオススメワインを紹介するシリーズ
第七回目は私達のワイナリー『島之内フジマル醸造所』のワインをご紹介。
産地:日本・大阪
品種:デラウェア(大阪柏原市自社農園産)
●“プチ”サイズのボトルで“プチプチッ”
プチプチっと心地よい微発泡ワインを、飲みきりサイズのプチボトルで楽しんでいただきたいというコンセプトの
『Petit Petit』。
このコンセプトは大変好評で、お店での最初の一杯を 2、3 人くらいでシェアするのにピッタリです
し、もちろん家飲みやアウトドアのお供にも。ちょうど良い飲み心地とサイズ感。
2023年ヴィンテージのプチプチも 100%フジマル自社畑のデラウェアで仕込んでいるので、『キュベパピーユ』を冠
しています。
【テイスティングコメント】
色調はグリーンイエロー。下部には澱がありますので徐々に濁りのある乳白色になっていきます。粘性は中程度。
香りは黄金糖、青リンゴ、若草、新生姜、ヨーグルト、澱に近くなると白桃のニュアンス。
青リンゴのような爽やかで甘酸っぱい果実味、柑橘系の伸びやかな酸味。滑らかな泡感でスムースな飲み心地の軽やかなタッ
チの大人のラムネ的な印象。
ガス圧は 2.8 ほどでペットナットよりは少しだけ強めになっています。
飲用適温は 6~8°Cでしっかり冷やした方が良いと思います。
フルーツの香りが際立ち、酸味の印象もハッキリとしてフレッシュ感溢れる爽やかな印象になります。
おすすめのグラスの形状は口が小さめの縦長の白ワイングラスです。
ワインの特徴をシンプルにあらわしてくれて、バランス良く楽しめます。
上部の澄んだところはスッキリ爽やかに、下部の濁りのあるところは滋味深い旨味系で 1 本で味の違いもあって愉しいかと思いま
す。
島之内フジマル醸造所のレストランでは名物料理の『彩り野菜のテリーヌ』に合わせてオススメしております。
旬のお野菜をそれぞれ適切な食感を感じられるように火入れし、昆布と鰹節から引いた濃い目の出汁で固めた目にも鮮やかな
一皿。
瓶内二次発酵特有の、アミノ酸由来の旨味が出汁の旨味とリンクし、料理とワインの重さも丁度良く一体感が有ります。
またワインの酸味が差し込まれる事で野菜や出汁の美味しさがグッと増します。
親しみやすいテイストなのでご家庭の食卓にもオススメです。
私が実際に自宅で合わせて特に良かったのが、『寄せ鍋』、『サーモンフライ&エビフライ しば漬けのタルタルソース』です。
口の中ではじける泡感とサクサクとした衣の食感も愉しいですし、油分をほどよく流してくれて食がすすみます。しば漬けの程よい
酸味が効いた甘酸っぱいタルタルソースとも同調していました。
無濾過無清澄なので瓶の中でゆっくりと複雑に変化していき、セラーでしばらく寝かせても面白いですし、また別の素敵な表情を
みせてくれると思います。
島之内フジマル醸造所
店長 河端 浩史
※フジマル醸造所のワインはすべて、酸化防止剤の添加を最小限にとどめています。温度変化にさらされますと品質劣化の恐れがございます、低温での管理(16度以下)をお願いいたします。
プチプチっと心地よい微発泡ワインを飲みきりサイズのプチボトルで楽しんでいただきたいというコンセプトの『Petit Petit』大阪産のデラウェアを優しく絞り、培養酵母を使わず低温で自然発酵させた後、330mLのボトルで瓶内二次発酵させるのですが、21年ヴィンテージからは100%フジマル自社畑のデラウェアで仕込んだため、『キュベパピーユ』を冠しています。
実はデラウェア特産地である大阪。その中でも産地として100年以上の歴史を持つ大阪府柏原市で、私たちは合計で約2.5haの自社畑を管理し、収穫量の約80%がデラウェアです。
私たちが栽培するワイン用の種ありデラウェアは、生食用以上の甘味と果皮の内側や種周りの酸味、分厚い果皮由来の旨味が小振りな粒にぎゅっと凝縮しています。