いつもお世話になっております。
島之内フジマル醸造所の店長の河端です。
勤続13年目になり、ずっとフジマルのセレクトと共に歩んできましたが、新たな試みとして『酒屋』目線ではなく、『ソムリエ』目線でのおすすめのワインをご紹介させて頂くことになりました。
これからワインを覚えていこうと頑張っている若手の方などのワイン選びの助力になれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
第四回目はこちらのワインをご紹介させて頂きます。
☆ラ ビアンカーラ☆
○サッサイア 2022(白)
(産地)イタリア・ヴェネト
(品種)ガルガーネガ
(醸造・熟成)サッサイアに使われるブドウの畑は彼の家の近くにあるパーセルを中心に、標高150m近辺にある。仕立てはグイヨ。
彼の家の近くのパーセルが石(Sassi)がごろごろしていたためにSassaiaと呼ばれており、ワインにもサッサイアと付ける。
ブドウを除梗し、ステンレスタンクにて24~36時間のマセレーション。圧搾後、30hlのオーク樽にて発酵の続きと熟成、翌年9月にボトリング。基本的に酸化防止剤無添加(ヴィンテージによってはボトリング時に極少量を添加)。ノンフィルター。
【河端とこのワイン】
造り手のアンジョリーノ・マウレさんとは2011年大阪、2015年福岡、2017年大阪で開催された『ヴィナイオッティマーナ』で何度かお会いしてるのですが、いつも彼のまわりは人だかりで本当は聞きたい事はいっぱい有るのですが『あなたのワインの大ファンです!』『あなたのワインを飲んでワイン観が変わりました!』くらいしか伝えられず、でも『Grazie!!』って笑顔で言ってもらえるだけで幸せで、私にとっては焦がれる遠い存在のような・・・。
そんな『憧れ』の造り手さんです。
端正なお顔立ちで知的で素敵なおじさまなんですが、放つオーラに厳しさを感じる・・・
彼の造るワインや考え方に影響を受けた数々のお弟子さんや、他の造り手からも先生と呼ばれるのも納得できる印象の方です。
今回ご紹介するサッサイアはラ ビアンカーラを象徴する代表的な白ワインです。
ナチュラルワインを扱うようになってから、飲み続けているワインですが、特に2015年の福岡のヴィナイオッティマーナの際に飲んだサッサイアの1989年ヴィンテージ(確かビアンカーラの創業年のはず)はバックボーンを含めて私にとって大きな経験になり想い出深いワインとなりました。
一緒に畑仕事、セラー仕事を担う次男のアレッサンドロさんの活躍も目覚ましく、今後も追い続けたい造り手さんです。
【テイスティングコメント】
色調は薄くにごりのある黄金色を帯びた黄色。粘性は中程度。
香りは洋梨、ペパーミント、仄かにアーモンド、ヨードのニュアンス。
昆布出汁のような旨味、しっかりとした酸味、煮出した紅茶のような渋み、心地よい塩味が余韻を引っ張る、生命力というか葡萄が持つパワーを感じる液体。
飲用適温は11℃~14℃くらいが良いかと思います。果実のヴォリューム、渋味もありますので冷やし過ぎない事をオススメします。
おすすめのグラスの形状は、やや小ぶりなバルーン型です。
香りを感じとりやすくなり、全体的にまるく柔らかな印象になります。
抜栓したては還元的で酵母的なニュアンスが強いですが、徐々にほぐれてフルーツなどの要素が現れてきます。
島之内フジマル醸造所のレストランでは『大分"宇佐養魚"どじょうのフリット』に合わせてオススメしております。
どじょう特有のほろ苦さとワインに感じられる塩味が料理の旨味を強調し余韻が膨らみます。
またワインの『酸味』と『渋み』が油脂分を中和してくれ、揚げ物も軽やかに食べ進めれます。
ちなみに宇佐養魚さんのどじょうは泥臭さがなく、肉厚で骨までやわらかく、えぐ味のない旨味が特徴です。
その他、海藻や貝類などのヨード感のある食材とも合わせやすく、昆布出汁を効かせた『たこ焼き』をちょっぴりのお塩で頂くのも旨味の相乗効果があってオススメです。
今、飲んでも楽しめますが数年寝かせる事を強くオススメします。劇的に表情が変わると思います。
島之内フジマル醸造所
店長 河端 浩史
<輸入元様資料より>
ラ ビアンカーラのアンジョリーノ マウレは、ワイン生産の盛んなヴェネト州のガンベッラーラ(ソアーヴェの
隣の生産地域)で生まれ育ちました。マウレ家はガンベッラーラという土地にありながら、ブドウ&ワイン生産
に携わらない家庭だったのですが、アンジョリーノは若い頃から自らワインを造ることに憧れを抱いていました。
そして若い頃働いていた工場で、奥さんのローザマリーアと知り合い結婚、ワイナリー創設の夢を果たすべく、
2人でピッツェリアを始めます。お店は大繁盛し、80 年代前半から畑を買い、家を建て始め、1988 年、ラ ビア
ンカーラとして初めてボトリング。サッサイアで二酸化硫黄の添加版、無添加版と 2 種類のワインを造るなど、
日本のワイン業界にも強いインパクトを与えました。現在は海抜 90〜260m に所有する 18ha の土地(うち 5ha は
借りている)でブドウを栽培しています。