●ワイン用ブドウとしてのデラウェア
私たちは、デラウェアがワイン用ブドウとして高いポテンシャルをもっていると考え、様々なスタイルのワインに仕上げてきました。大阪の自社管理畑で栽培するブドウも80%はデラウェアです。フジマルのラインナップを見るとデラウェアで多くのキュベを作り分けているのを知っていただけると思います。デラウェアのワインはブドウの特徴が素直に出やすく、とても分かりやすいので、日本では普段ワインを飲まない層も含めて広く受け入れらるようになったと感じます。一方で、私たちはデラウェアがもっといろいろな表現に適したブドウだということを示してきました。それは幅広いキュベのつくり分けに反映されています。
●あえてフレッシュ&カジュアルを外す
デラウェアはその甘い香りを活かしてフレッシュ&ジューシーなタイプの白ワインとして作られることが多いです。そのようなつくりのワインはわかりやすくて飲みやすく、昔からデラウェアが夏の食卓を彩ってきた日本人にはとても親しみやすい味わいです。一方で、熟成によって果物としてのデラウェアからは想像できないユニークな香りが出てくることがあります。もしかすると、これは私たちが補糖や補酸をせずに自然発酵でワインをつくっているからかもしれませんが、デラウェアからこんな香りが出るんだと驚くことが、時々あります。このレイトボトルドデラウェアは、熟成によって現れた独特な柑橘系の香りを特徴としたキュベです。
●じゃばら?かぼす?
柑橘といっても、華やかでわかりやすい蜜柑や柚子というより、邪払(じゃばら)や香母酢(かぼす)に似た爽やかで少し癖のある香りです。パァーっと前に出てくる陽なイメージではなく、すぅーっと感じる薬味的ななハーブ系のイメージで、これは収穫時に酸を残すために完熟を待たずやや早摘みにしたことで現れた特徴かもしれません。これは面白いと考えて、その特徴を持った熟成タンクをまとめて瓶詰めしました。
●支える系の食中酒
その香りの特徴から、食中酒に向いているのですが、やはり和食系に合わせやすいと思います。だしを使ったお料理、鶏・魚の塩焼きや煮物といったシンプルな料理に香りでメリハリをつけてくれるようなイメージです。
●テクニカルノート
少し早めに収穫したデラウェアを全房でメンブレンプレスの後、樹脂の開放タンクで自然発酵。12日間の主発酵の後、澱引きし、ステンレスタンクで11カ月熟成。細かい澱が下がったタイミングで、亜硫酸塩を10ppm追加してボトリング。ボトルショックで香りが閉じてしまったため1年の瓶内熟成を行いました。
原料:デラウェア(大阪府産 100%)
内容量:750 ml アルコール分:11%
総酸度:6.0 g/L 総亜硫酸:4.2 ppm 遊離亜硫酸< 1 ppm
製造者:株式会社パピーユ 製造場:島之内フジマル醸造所
無濾過無清澄のため澱が生じることがありますが、品質に問題はありません。必ず15度以下での保管をお願いいたします。
フジマル醸造所(島之内・清澄白河)の成りたち:
2010年、ワインショップFUJIMARUやカーヴ・デ・パピーユなどワインショップを経営する株式会社パピーユが、ボランティア数名とともにカタシモワイン&フード(通称カタシモワイナリー)より、柏原市大県(おがた)にある『堂の内畑』(マスカットベリーA)を借り受け、カタシモワイナリー内にて委託醸造を開始、『ドメーヌ・デ・パピーユ』ブランドのスタート。2011年、耕作放棄地であった『岩崎谷畑』を大阪府の外郭団体みどり公社の斡旋で地主さんより借り受ける。再開墾し垣根仕立てのぶどう畑(メルローなど)を造成。2012年、高井田にてデラウェアとベリーAの畑を新たに賃借。また、羽曳野市の飛鳥ワインにて太子町のデラウェアを委託醸造。2013年、大阪市中心部、島の内にて醸造所を設立。自社畑産ブドウのほか大阪や日本各地から買いブドウを仕入れて醸造しています。日本でも類を見ない都市型ワイナリー『島の内フジマル醸造所』です。2013年以降はすべて島之内フジマル醸造所にて醸造。そして2015年8月には東京・清澄白河にフジマル醸造所をオープン。こちらではおもに東日本のブドウ栽培農家さんから原料葡萄をわけてもらって醸造しています。
ぶどう造り:
約2haの自社管理畑のブドウから造ったワインは「キュベパピーユ・シリーズ」としてリリースしています。その他に日本各地から質の良いブドウを仕入れ醸造を行っています。自社管理畑ではボルドー液以外は年に2~3回ほどの防除のみと減農薬を心がけ、農作業はすべて手作業で注意深く行いました。収穫されたブドウは選果、粒よりし健全な粒のみを使用。ワインをお飲みになるお客様の顔を想像しながら、スタッフとボランティアの方々とで力をあわせワインを造りました。本当にたくさんの人に手伝っていただいたおかげで私たちのワインは出来上がっています。




