先日研修でつくばのヴィナイオータさん本社にお伺いし、多数のワインをテイスティングさせて頂
きました!その中から特にお勧めをスタッフのテイスティングコメントと共にご紹介させて頂きます!
■デ バルトリ/ NVメトド クラッシコ キュヴェ VS(泡)
産地:イタリア、シチリア
品種:グリッロ)
≪フジマルスタッフコメント≫
ヴェッキオサンペーリを作れない年に仕込まれるスパークリングワイン。アプリコット、ドライフルーツにナッツ、風味豊か
なスパイスの香り。厚みのある酸味に旨みたっぷりのふくよかなボディ。ヴィッキオサンペーリを思わせる深さと奥行きあ
る味わいの素晴らしい 1 本でした。
≪輸入元資料より≫
エチケットにある「Terzavia」とは「3 つ目の道」という意味。ヴェッキオサンペーリやマルサーラ(1 つ目の道)を仕込むには
難しい年には、スティルワイン(2 つ目の道)とスプマンテ(3 つ目の道)を仕込む。自然酵母による醗酵後、澱とともに 12
ヶ月間の熟成。ティラージュの際、瓶内二次醗酵を促すため様々なヴィンテージの樽熟成を施していたグリッロと、ブレン
ドを行う年のモストをブレンドする。その際にヴェッキオサンペーリも少量ブレンドし、一切の酵母添加を行わずに瓶内 2
次醗酵をさせたスパークリングワイン。
★デ バルトリ
紀元前から多くの支配者によってその都度街の姿を変えてきた、シチリア島の西部トラーパニ県のマルサーラで 1978 年
に創業したデ バルトリ。フランスにルーツがある母ジョセフィーンから、2 世紀以上に渡ってブドウが栽培されてきたバー
リオ サンペーリ(サンペーリ荘園:由緒正しい農場に伝わる伝統的な建物と農園)を農学の学位とレーシングカーへの情
熱を持った若きマルコが引き継ぐ形でワイナリーは始められました。
ワイン法によって歪められた現代のマルサーラに抗議する形で、地域性に焦点の合った真のマルサーラともいうべきヴ
ェッキオ サンペーリを 1980 年に初リリース。ワイナリー創業にあたり、マルコが親戚、近隣の農家、廃業してしまったワ
イナリーから買い集めたワインは 20 万リットルにおよび(750ml 換算で 26 万本相当)、中には 1903 年や 1958 年などのヴ
ィンテージも存在し、40 年経った今でも樽で熟成されています。
1984 年にパンテッレリーア島(シチリア本島とチュニジアのほぼ中間地点にある島)にある南西向き、標高 200m のブック
ラム(アラブ語で“ブドウ畑の父”の意)という地区に 5 へクタールの畑と、1700 年代に建てられたこの島独特の建築様式
の家屋ダンムーゾを取得し、ワイナリーを始めました。1986 年にパッシート、1989 年からは北東向きの標高 400m の畑で
ズィビッボの栽培を始め、1991 年頃からピエトラネーラとグラッポリ デル グリッロというスティルワインの生産も開始しま
す。2009 年からは長男レナートが Terzavia(テルツァヴィーア、“3 つ目の道”の意)という名前の別会社を立ち上げ、スプ
マンテの生産を始めます。2011 年にマルコが亡くなってからは、レナート、セバスティアーノ、ジュゼッピーナがマルコの
遺志を引き継ぎ、世界でも類を見ないこのワイナリーを運営し、マルサーラに 11.5 ヘクタール、パンテッレリーアに 6.5 ヘ
クタールの畑でブドウを有機農法で栽培、年間約 10 万本をボトリングしています。
以下ヴィナイオータ社訪問記になりますが、併設のワインショップ、「だだ商店」、「だだ食堂」は何方でもご利用いただけますので、機会
があればぜひ♪
(アクセス等詳細:https://dada2020.com/)
(2025年1月 訪問記 by スタッフ齋藤)
「人間は自然から土地を間借りしてるだけ。自然界の先人に敬意を払っています」
という太田社長の言葉通り、永くその土地に根づく大きな木々に囲まれ、自然に溶け込むかのようにヴィナイオータさん
の建物は佇んでいました。駐車場も含め一切アスファルトは無く、所々に仕掛けがあって雨水が下水ではなく地下水源
に導かれています。そしてセラーは半地下、天井の上にも木々が生い茂り自然と人が仲良く共存している風景がそこに
ありました。
併設のだだ食堂で頂いた定食も、自社栽培のお米や野菜をはじめ調味料まで、手を掛けながらも自然を活かした方法
で育てられたものばかり。勿論ワインも同様で全てに一貫性があり、人と自然との繋がりやあり方を深く考えさせられる
場でした。
数々のワインをテイスティングさせて頂きましたが、それらは自然と同じく、良し悪しや善悪は無く、受け止め方や活かし
方が大切なのだなとつくづく感じました。特に長い瓶熟成を経たワインは太田社長の言葉通り、「年齢を重ねた人」と同じ
く懐が深く、ペアリングを考えなくとも様々な料理を受け止める寛容さを感じました。また感覚や感情が刺激されて自然
に会話が生まれ、はじめは雰囲気に圧倒され固かったフジマルチームも賑やかな雰囲気に。ワインの力を改めて強く感
じた 1 日となりました!