いつもお世話になっております。
島之内フジマル醸造所の店長の河端です。
勤続12年目になり、ずっとフジマルのセレクトと共に歩んできましたが、新たな試みとして『酒屋』目線ではなく、『ソムリエ』目線でのおすすめのワインをご紹介させて頂くことになりました。
これからワインを覚えていこうと頑張っている若手の方などのワイン選びの助力になれば幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
第二回目はこちらのワインをご紹介させて頂きます。
【インテレゴ(ヤルゲン)/インテレゴ シュナンブラン 2021（白）】
産地：南アフリカ 品種：シュナンブラン
■醸造・熟成：
パーデバーグ山の樹齢20年のシュナンブラン（花崗岩）を使用。 乾燥農業、ブッシュヴァイン。手摘みで収穫、選果後、全房でプレスし、古樽に移し、発酵。シュールリーで10ヶ月間樽熟成。 ノンフィルターで瓶詰め。
■造り手紹介：
～ヤルゲン・ガウズ～
スワートランドきっての暴れん坊でファンキーかつクレイジーなヤルゲン。
その性格とは裏腹な、繊細で、ユニークなタイプのワインを造る。
エルゼンバーグカレッジで醸造学と栽培学の学位取得。
その後、旅人になり、フランスの各地やニュージーランド、ロシア、スペインを巡
その際、南仏のマタッサで修業したことがきっかけで、自然派ワインにのめり込み、2010年からラムズフックにてアシスタントとしてクレイグホーキンスとともに働く。
彼の目指すところは、ぶどうの個性を存分に出していることと、そして、スワートランドのテロワールの特性が出ていることがこだわりです。
ヤルゲンさんに初めてお会いしたのは２０１７年９月。
インポーターさんのアテンドで島之内フジマル醸所にいらっしゃったのですが、フジマル醸造所のクヴェヴリ（ジョージアから輸入した素焼きの甕）を見たとたんに目の色が変わって、お互いのワインについて熱いディスカッションをしたのを今でも覚えています。
あれから彼のワインは飲みつづけていますが、近年、世界各国で評価が高く、少量生産のため気付いたらソールドアウトという嬉しいような悲しいような状況です。
インテレゴといえば、オレンジワインのエレメンティスが特に有名ですが、こちらのシュナンブランも非常にクオリティーが高く、より品種の個性を感じられる１本かと思います。
【テイスティングコメント】
色調は輝きのあるイエローゴールド。粘性は中程度。
香りはアカシアの花、レモンのコンフィチュール、蜂蜜、ジンジャー、豊満な果実味にミドルからアフターにかけて伸びる口中をギュッとしめる酸、柑橘の白いワタの部分のような軽やかなほろ苦さが心地よいミディアムフルボディ。
やや大ぶりの白ワイングラスか万能タイプの赤ワイングラスで、飲用適温はふくよかな味わいですので11℃～14℃くらいのやや高めがおすすめ。
アタックは、ややソフトになり香りも広がり果実味もより豊かに感じられると思います。
抜栓直後はシュナンブランらしい、しっかりとした酸味が印象的でやや硬さを感じますが、グラスの中でも変化は早くまろやかになっていきます。
島之内フジマル醸造所のレストランでは『明石の天然鯛と焼き茄子 ホースラディッシュのパートフィロ包み ブールブランソース』に合わせてオススメしております。料理の要素には無いワインの仄かで軽やかな『苦み』が加わると、料理単体で食べた時とはバランスが変わり、新しい味わいになる愉しい組み合わせです。またブールブランソースの『旨味』と『酸味』がワインの味わいに重なり一体感が増します。
その他、柑橘をギュッと搾ったサーモンや脂ののった白身魚のカルパッチョや酢豚なども旨味と酸味が同調してオススメです。
フレッシュ感が強い今も魅力的ですが、経年により酸と果実味が溶け込んできた状態も楽しみな１本です。
島之内フジマル醸造所
店長 河端 浩史
＜輸入元様資料より＞
綺麗なイエロー。熟したレモンやカリンの香り。
口当たりはみずみずしさがあり、塩味、じわじわと厚みのあるミネラリ―さが広がります。高い酸味が味わいとうまく調和しており、スイスイと飲みすすめられ、絶妙な骨格で、全体の味わいのバランスが素晴らしい一本です。
ヤルゲンは、南仏のトムルッブ（マタッサ）、ステファン・オジェ(ローヌ)で研修し、その後スペインのプリオラートにてイーベンサディのテロワールアルリミット、ニュージーランド、ロシアの
大手ワイナリーでも研修した後、南アフリカへ戻り、クレイグホーキンス(テスタロンガ)の右腕として伝説のワイナリー、ラムズフックで働く。
2015年に独立して、自分のブランドとしてインテレゴ(ラテン語で理解するという意味)を開始し、昨年より広いレンタルセラーに移り、古樽で寝かせる期間を長くとることができるようになったり、フードルを使うようになったりとさらに発展に向かっています。
近年、ヤルゲンのワインの評価が世界各国で高く、少量生産のため、今回の入荷数が激減しており、各アイテム、非常に少ないです。
