いつもお世話になっております。
島之内フジマル醸造所の店長の河端です。
勤続12年目になり、ずっとフジマルのセレクトと共に歩んできましたが、新たな試みとして『酒屋』目線ではなく、『ソムリエ』目線でのおすすめのワインをご紹介させて頂くことになりました。
これからワインを覚えていこうと頑張っている方などのワイン選びの助力になれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
第一回目はこちらのワインをご紹介させて頂きます。
産地:イタリア・フリウリ
ブドウ品種:ピノネーロ
【河端とこのワイン】
造り手のフルヴィオ・ルカ・ブレッサンさんに初めてお会いしたのは2015年2月に福岡
で開催された『ヴィナイオッティマーナ in 福岡』の会場でした。
この時のヴィナイオッティマーナは各飲食店に造り手が在中していて、そのお店の料理と
楽しむ、飲み&街歩き的な形式でした。
彼は大濠公園の焼鳥の名店『鳥次』さんのブースにいたのですが、第一印象はとにかく身体
が大きくて強面・・・。
でも、話してみると気さくで知的でユーモラスな方で一気にファン
になりました。
そして、2度目にお会いしたのは2017年の11月に大阪で開催された『ヴィナイオッテ
ィマーナ2017大阪』この時は私達はフードの出店店舗としてイベントに参加していま
した。
久しぶりに再会したフルヴィオに福岡のヴィナイオッティマーナで会ってるんだけど僕の
事を覚えてる?って聞いてみると・・・
おっ。
おぉおおお!俺は男の顔は覚えないよ!
って笑顔で肩を組んでくれました。
さすがイタリア人!
ブレッサンというと、スキオッペッティーノやピニョーロのイメージが強いですが、このピ
ノネーロも素晴らしく、試飲中に『どや!うまいやろ!』っフルヴィオが葉巻くわえて笑っ
てる画が浮かんだワインです。
【テイスティングコメント】
色調はやや濃い目のルビーレッド。ほんのりオレンジ色のトーンも見れます。粘性はやや高
めです。
香りはブラックベリーのコンポート、シナモン、クローヴ、漢方、トリュフなど甘やかでス
パイシーで複雑性を感じます。
ドライな果実味と、線は太めで伸びやかな酸味、タンニンはやや強めですがまろやか、余韻
も長く調和の取れた重厚感のあるミディアムボディのピノネーロです。
飲用適温は 16°C~18°Cくらいが良いかと思います。
おすすめのグラスの形状は丸形でやや口広のブルゴーニュグラスです。
果実味と酸味がよりエレガントに感じられると思います。
抜栓後、すぐに香りはムンムンでバランスは取れていますが、ゆっくりと変化していきより
一体感が出てきます。割と硬めのオリが有るので気になるお客様にはデキャンタージュし
ても良いかもしれません。
島之内フジマル醸造所のレストランでは『なにわ黒牛』の赤身肉のシンプルなグリルに合わ
せておすすめしています。グリル板で香ばしく焼いた風味(メイラード反応)がワインに感
じるスパイス香や熟成由来の香りと寄り添い、酸味とタンニンが赤身とはいえ和牛特有の
ある程度保有する油脂分を中和して、どんどん食がススムような組み合わせです。ちなみに
なにわ黒牛は脂の融点が低く、和牛ですが軽やかな食べ心地です。
その他、鹿肉、鴨肉やキノコ料理などシンプルで鉄分を感じるような料理、またスパイスを
効かせた豚の角煮やお醤油との相性も良いので鰤の照り焼きなどもオススメです。
【ワインのご紹介】
フリウリ ヴェネツィア ジューリア州のゴリツィア南西部、その温暖な気候と豊かな自然から紀元前4世紀ごろには通商路の要所として栄え、小さな民族が集まる場所であったファッラ ディソンツォ。
歴史的なこの地域で、1700年代に創始者ジャコモ ブレッサン(1726年生まれ)がワインの生産を始めてから、
伝統的栽培醸造一家ブレッサンは8代目へと続きます。
(醸造・熟成)
ブレッサンの畑において一番栽培が難しいというピノ ネーロ。除梗と軽い
圧搾の後、24°C以下に冷やした井戸水でタンクを温度調整しながら、非常に長い果皮浸漬と
発酵を実施。澱引き後、30 日間じっくりと再発酵。ステンレスタンク内で寝かせたあと、
2000L 入りのオークの大樽で、少なくとも 2 年間熟成。