産地:オーストラリア、西オーストラリア州 品種:シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル、マルベック
【インポーター様資料より】
グレートサザンのシラー&マルベック、マーガレット・リヴァーのグルナッシュ&ムールヴェードルをそれぞれ混醸させた後にブレンド。ステンレスおよび古樽で自然醗酵および熟成。全体はロゼのようにプレスされ、マルベックの果皮のみを2週間浸漬。少量の亜硫酸と共にボトリング。ノンフィルター、清澄剤不使用。。
Redとあるように赤ワインですが、飲んだ印象ではロゼ~赤の赤寄りといったところで、非常に可愛らしいストロベリー系の果実に適度な旨みがのってまさに「スルスルグビグビ」。
しかしながらボージョレのワインを彷彿とさせるようなテクスチャーは旧世界ワインに通じる魅力があり、単なるスルスル系でもありません。
【生産者の紹介】(インポーター様資料より)
西オーストラリア州グレートサザンの地に 2011 年設立された Express Winemakers / エクスプレス・ワインメーカー。醸造家は Ryan O’Meara / ライアン・オメーラ(2019 年時点で 35 歳)。カーティン大学を卒業した彼はオーストラリアのワイナリーで働き始めますが、「レシピ通りに完璧」を求められる、魂のこもっていない工業的なワイン造りに嫌気が差し一度はワイン業界を離れビール会社に就職してしまいます。そこへ最初の転機が訪れたのは 2008 年。トスカーナで収穫を手伝いながら、自然に寄り添い、自らのライフスタイルにワイン造りが溶け込んでいる人々と出会った時でした。そうしてワインへの情熱を取り戻した彼はその後失った時間を取り戻すように精力的にオーストラリアとヨーロッパでワインメーカーとしての経験を重ねていきます(フランス/スペイン/ヤラ・ヴァレー)。そしてその中で彼は南オーストラリアで当時勃興していたナチュラルワインに出会い、それまでの経験を”再調整”させられたといいます。その再調整には数年を必要としましたが、醸造家としてのステップを確実に刻んでいったライアン。そして 2011 年、西オーストラリアでワインメーカーとして働く中で、冷涼な気候を備えつつ、隔離された自然環境に隠されたワイン産地としての高いポテンシャルを彼はグレートサザンの地に見出したのです。遂にその年、僅か6トンのブドウと共に自身のレーベル「Express Winemakers / エクスプレス・ワインメーカー」を立ち上げました。
ライアンが胸に抱く至上命題はブドウが育つ「土地の味わい」を余すところなく醸造家として”express = 表現”すること。現在彼が管理(自社畑およびリース)している畑はマウント・バーカーとポロングラップに位置し、有機栽培が実践されています(加えて彼の友人が管理する他産地のオーガニックの畑からの買いブドウを使用)。冷涼な気候の恩恵を存分に受け、花崗岩質の土壌を備えた彼の畑では、灌漑は一切行われずブドウの根が地中深く伸びるように促されます。収量を厳しくコントロールされた高品質なブドウは比較的早いタイミングで全て手摘みされ、人の足によって潰され、土着の野生酵母によって自然に醗酵させます。若く才能に溢れたライアンは伝統的なバスケットプレス、ホールバンチ=全房醗酵や白ブドウのスキンコンタクト、必要最低限の酸化防止剤使用といった Minimal Intervention (最低限の人的介入)アプローチと、伝統と革新を自身の中に消化した上でのワイン造りを実践。そうして出来上がるのは何とも印象的な「活き活きとした、引き締まるような自然な酸」を備えたクリーンでナチュラルなワインたち。彼のワインに共通して見られるグレートサザンの地から表現されるこの特有の酸こそが、程よいボリュームの果実味と旨味を伴い心地よく喉を通る”Drinkability = 飲みやすさ”を彼のワインに与えてくれているのです。