産地:山形 リンゴ種類:フジ 洋ナシ種類:ラ フランス
<ワイナリー資料より>
その名のとおり原料のふじとラ・フランスは全て山形県南陽市産です。圧搾したジュースはふじとラ・フランスの混醸とふじのみの2タンクに分けて別々に醸造。発酵中は1日2回のポンプオーバーを行います。アルコール発酵が終わる直前にステンレスタンクで合わせ、取り置いていたふじのジュースを戻し入れ糖度を調整し、瓶内にて発酵を続けました。
ふじのフレッシュさとラ・フランスのジューシーさを合わせ持つジャパニーズサイダーです。
<フジマルスタッフ訪問記>
南陽市の山間に位置するグレープリパブリックさん。お伺いした際にはワン仕込みと収穫の真っ最中で、ブドウにまみれた姿で醸造家の矢野さんが迎え入れてくださいました。
矢野さんは調理師学校を卒業後にワインの世界に魅了され、イタリアでのソムリエ経験もある飲食業界出身者。ニュージーランドでグレープリパブリックのアドバイザーであるアレックス クレイグエッドさんに出会い、彼の紹介でジョインしたのがグレープリパブリックです。
今や年間7万本を超える生産量を誇るワイナリーで、シーズン中は仕込に収穫に大忙し。30代前半の矢野さんもそうですが、若いスタッフ中心でみなで力を合わせてワイン造りに取り組む姿がフレッシュ&エネルギッシュ。海外からの研修生が働く姿も見られました。
ワイナリーのすぐ裏には自社畑があり、いろんな品種を植えてトライアル中。全く育たなかった品種もあったそうですが、それにもめげずに模索し続けているとのことです。そして圧巻は醸造所内のアンフォラ。2メートルを超える高さの大きなアンフォラが土の中にすっぽり埋められ、中でワインが発酵中。あまり日本では見かけない、神秘的な風景でした。
グローバルで若い力に溢れるエネルギッシュなワイナリーでした!
<ワイナリー紹介>
土地ごとの気候、地勢、土壌のみならず、そこに暮らす人や、人々が育んできた文化をも含めたテロワールという概念。GRAPEREPUBLIC/グレープリパブリックとは、それらを第一に考えた自然なワイン造りを行うワイナリーです。畑と醸造施設を構えるのは、北に丘陵、南に沃野が広がる山形県南陽市。1日を通して寒暖差が大きく湿度の低い気候と、水はけのよい地質を持つ、ブドウ作りに適した土地でありながら、昨今はあちこちに耕作放棄地が目立つようになってきています。ここを拠点に質の高いブドウとナチュラルワインを生み出すことで、新規就農者や新たなワイナリーを集め、増え続ける耕作放棄地を再生させたい。そして、ゆくゆくは南陽市の名産品とのコラボレーションやアグリツーリズムなども展開し、街全体で“GRAPEREPUBLIC=ブドウ共和国”といえるような一大ワイン産地を形成したい。それが私たちの想いです。
GRAPEREPUBLICのナチュラルワインを表現する言葉のひとつに、“Made of 100% Grapes”というものがあります。ワインの原料となるのは、南陽市の風土を生かして作られたブドウのみ。余分と考えられるものは何ひとつ加えません。そして、それはブドウ作りの過程においても同様。除草剤や殺虫剤をはじめとする農薬はもちろんのこと、肥料や酸化防止剤も使用せず、補糖や補酸も行わず、酵母は天然のものだけにこだわっています。また、ワイン造りには種の周りにある酸が不可欠であるため、種をなくすジベレリン処理も施していません。すべてを健全なエコサイクルのなかでまかなっているのです。見かけや食べやすさは問わず、味と糖度だけを求めるワイン用のブドウだから可能な手法といえましょう。2015年に100kgだったブドウは、周囲の農家の協力もあり、2017年には40t、2018年には60tとなりました。今後はさらに増える見込みです。
2年に及ぶ建設期間を経て、2017年9月末に醸造施設が完成しました。施設の大きな特徴となるのは、スペインから直輸入した陶器の醸造瓶、17基からなるアンフォラ。収穫したブドウを除梗機で実と枝に分けたあと、足で踏むことにより破砕したものをアンフォラに保存します。あとは別の菌に冒されないよう、二酸化炭素のガスとともに密閉するだけで、自ら発酵してワインができるという代物です。アンフォラによる製法自体は8000年ほど前からあるものですが、ナチュラルワインを作るのに適していることから、最近になって復活を遂げました。GRAPEREPUBLICではステンレスなどのタンクも併用していますが、メインとなるのはアンフォラのもの。ここで造られるワインが「ブドウそのものよりブドウっぽい」と言われるわけは、そんなところにもあるのです。ぜひ、その自然な風味をあなたの五感で感じてみてください。