バラの街として有名な広島県福山市、新幹線の停車駅でもあるJR福山駅から直ぐの商店街の中に「福山わいん工房」さんはあります。
とっても優しい雰囲気が漂う古川さんご夫妻が二人三脚でぶどうの栽培や醸造を手がけていらっしゃいます。
ワインは、瀬戸内のテロワールを感じる柔らかく心地よい味わいが特徴の福山産のぶどうを100%使用。ここ福山でも高齢化や後継者不足による栽培放棄地問題、また近年人気のシャインマスカットの栽培に切り替えなど、抱えている問題は様々。古川さんご夫妻は、地元産マスカットベリーAを沢山使う事で栽培農家産さんを減らさないという強い信念をお持ちです。
で、ここからが本題です。
既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、福山わいん工房さんは地域周辺の再開発のあおりを受け、この地を7月末で立退かなければいけなくなりました。賃貸でやる以上、そういうリスクは常に付きまとうのですが、立ち退きが決まってから期日までの期間が短く、瓶内二次発酵のスパークリングを得意とするワイナリーにとっては、大量のリザーブワインの行き先が大問題となっていました。
当初は弊社系列の媛囃子蒸留所でブランデーにして欲しいというお話があり、実際に試飲に伺ったのですが、それはそれは立派なワインで、時間が許されるなら普通に販売してもちゃんと売れる味わいでした。
これを蒸留してしまうのは本当に勿体なくて。。。ワイン屋として相談を受けて、これをワインとして世に出せないならフジマルの存在価値がないじゃないかと。
そして、どうにか世に出せないか、色々検討した結果、BIB(バックインボックス)という結論に至りました。島之内フジマル醸造所が3000L分を買取り、自社でBIBに詰めてワインという形で世に出すことで、また多くの方に福山わいん工房を知って頂くキッカケにもなると思いますし(そもそも有名ですが)、再開後にもお役に立てるのではないかと。
収益につきましては、福山わいん工房さんと相談中ですが、再建に役立てて頂く予定です。まだまだ不確定要素が多すぎて。今のところは確定ではありませんので、そこはまだお気になさらず、買いたい方が買って頂けたらと思います。なんせ3000Lもあるので!!(決まったらご報告しますね!)
あと本来ならBIBのワインはフレッシュで軽やかさがセオリーなんですが、リザーブワイン用だったので熟成もしてるし、味わいもドッシリしてます。時間とスペースが許されるなら本当にボトリングしたかったのですが、私たちももうすぐ仕込みが始まってしまうというタイミングの悪さ。ただBIBらしくからぬ雰囲気ですが、逆にいうとコスパ感が半端ない感じです。ぜひこの夏に冷蔵庫に1つBIBを待機させてくださいませ!BBQにもピッタリですよ!!
株式会社 パピーユ 代表 藤丸智史