このヴィンテージから、愛娘オードリーちゃんがガーリーに成長した雰囲気に合わせて重くない、チャーミングなスタイルに。ガス感もあり、野性的な部分も垣間見えますが、アセロラ、チェリー系の甘酸っぱい酸ののった果実味に、アロエ、グリーンカルダモンなどのスパイスシーさも。シンプルに塩コショウ、もしくはクミンやマーガオなどの香辛料を使用した羊肉や、火鍋などと合わせても面白いかもしれません。
<輸入元様資料より>
「自分達が飲みたいものを作る」気持ちに突き動かされた結果に誕生した新たなる既成概念の破壊者。それがスィです。サラ モリスとイーヴォ ヤキモウィッツという2人が出会い、恋をして価値観を共有してきた人生の延長線上にスィは誕生しました。芸術や建築、旅やサーフィン、時として義務的に発生する社会人としての責務を楽しみつつワインという魔法の液体に魅せられた2人は共に西オーストリア カーティン大学で醸造学と栽培学を学び暮らして来ました。一端2人は互いに離れ離れとなり、数年に渡り国内外で数多くのビンテージに参加。最後に待ち合わせの場所として辿りついたのはカタルーニャでした。自分達が進むべきビジョンを鮮明とした2010年。故郷マーガレット リヴァーに30エーカーの土地を購入し(そのうち20エーカーがブドウ畑で1970年代に植えられた古木が主体です)いよいよスィが始まった訳です。
バイオダイナミクスによるブドウ畑と周囲にある自然環境との共生。日々畑で収穫する自分達の野菜やハーブとスパイス。コンクリートのエッグタンク。アンフォラ。フロールでの白ワイン熟成。そして毎日の儀式の様に楽しむサーフィン。サラとイウォの挑戦はまだ始まったばかりですが、その卓越した品質と個性に世界が反応しており、現在ロンドンのワインシーンでは既に熱いムーヴメントの中心にあります。「マーガレット リヴァーはボルドーに土壌も気候も酷似していてね…」なんて文句に飽き飽きしているそこの貴方。呑むべきワインはスィです。
ピンク 2017年(ロゼ カベルネソーヴィニョン80%、プティヴェルド20%)
Cabernet Sauvignon/Petite Verdotの80/20ブレンド。フルーツの凝縮感が優れた年にのみ作る事を決めていたそうですが、結果的に彼らがSi【スィ】のカジュアルレンジを作る事を辞めてしまった為、2017が唯一のリリースとなってしまいました。
醸造は極めてシンプル。ハンドソートで選果されたフルーツをステンスタンクで混醸。タンクに応じて3-4日間のスキンコンタクトを経てプレス。マロラクティック発酵が終わり、澱がタンク下部に落ち着いたら速やかにボトリング。SO2はボトリングの際に20ppm添加しています。
ダークチェリーとクランベリーの果実味、アーモンドやカモミールの様なエキゾチックなアロマ、五香粉を想わせるスパイス感があり、適度な酸と相まって実にバランスが良いです。またCabernet Sauvignon由来のベジタルなニュアンスは食事と楽しむ事で、より双方の深みを齎してくれます。