先日研修でつくばのヴィナイオータさん本社にお伺いし、多数のワインをテイスティングさせて頂
きました!その中から特にお勧めをスタッフのテイスティングコメントと共にご紹介させて頂きます!
■ラッセッラ(カンティーナ ペヴェラーティ) / アキッレ 2023年(赤)
産地:イタリア、ピモンテ
品種:ブラケット
≪フジマルスタッフコメント≫
ピュアな赤いベリーの芳醇な香り、果実味はジューシーでかつ舌をグリップする旨みやスパイス感もあります。いろんな
料理にも寄り添う素直で滑らか、スルスル沁み入る誰にでも愛されそうな味わい。
≪輸入元資料より≫
ブラケットで造る辛口の赤。ワイン名は三男の名前から。
1994年に植えられたブラケットを収穫、除梗後約2週間のマセレーションとアルコール醗酵を行う。圧搾後約10か月間ステンレスタンクにて醗酵の続きと熟成を行い、無濾過でボトリング。瓶内で休ませリリースさせる。安定していると判断した年には二酸化硫黄を添加せずにボトリングしている。
★ラッセッラ(カンティーナ ペヴェラーティ/イル ブオンヴィチーノ)
ピエモンテ州の銘醸地バローロから車で東に 1 時間、アレッサンドリアの南約 20km の場所にあるカッシーネは人口 2900
人の小さな街。ペヴェラーティ家は 1900 年代初頭にカッシーネ郊外で農場を始めました。モスカートのワインで、1911 年
のローマのワイン博覧会、1914 年のパリの国際ワイン博覧会で金メダルを獲得したことからも、自家瓶詰めが許された
ワイナリーが数少ないこの時代に、イタリア国内でも稀有な存在であったことがわかります。
現当主レオナルドの祖父ジョヴァンニは農場からアレッサンドリアに移り住み、弁護士としてのキャリアをスタートさせま
す。仕事の傍ら少しづつ小さな土地を取得していき、現在の 37 ヘクタールという広大なブドウ畑となりましたが、ワイナリ
ーとしてはほとんど稼働しておらず、ブドウを協同組合に売却していました。ブドウ畑とワイナリーを引き継いだレオナル
ドの母イザベッラは、1999 年にアグリツーリズモ「イル ブオンヴィチーノ」を始め、ピエモンテの伝統的な料理と共に供す
るワインを自ら生産すべく、2000 年から少量ながら自家醸造と自家ボトリングを再開します。
2016 年にはレオナルド、アウグスト、アキッレ、タツィオの 4 人の息子たちにワイナリーの経営を譲り、カンティーネ ペヴ
ェラーティとして新たなスタートを切りました(ラッセッラは農場名。
現在もジャム等の食品類はイル ブオンヴィチーノの名
前でリリースされています)畑の大半にはモスカートが植えられており、ドルチェット、ブラケット、バルベーラ、シャルドネを
無施肥、不耕起、無除草、ボルドー液以外の農薬を一切使わずに栽培を行っています。
以下ヴィナイオータ社訪問記になりますが、併設のワインショップ、「だだ商店」、「だだ食堂」は何方でもご利用いただけますので、機会
があればぜひ♪
(アクセス等詳細:https://dada2020.com/)
(2025年1月 訪問記 by スタッフ齋藤)
「人間は自然から土地を間借りしてるだけ。自然界の先人に敬意を払っています」
という太田社長の言葉通り、永くその土地に根づく大きな木々に囲まれ、自然に溶け込むかのようにヴィナイオータさん
の建物は佇んでいました。駐車場も含め一切アスファルトは無く、所々に仕掛けがあって雨水が下水ではなく地下水源
に導かれています。そしてセラーは半地下、天井の上にも木々が生い茂り自然と人が仲良く共存している風景がそこに
ありました。
併設のだだ食堂で頂いた定食も、自社栽培のお米や野菜をはじめ調味料まで、手を掛けながらも自然を活かした方法
で育てられたものばかり。勿論ワインも同様で全てに一貫性があり、人と自然との繋がりやあり方を深く考えさせられる
場でした。
数々のワインをテイスティングさせて頂きましたが、それらは自然と同じく、良し悪しや善悪は無く、受け止め方や活かし
方が大切なのだなとつくづく感じました。特に長い瓶熟成を経たワインは太田社長の言葉通り、「年齢を重ねた人」と同じ
く懐が深く、ペアリングを考えなくとも様々な料理を受け止める寛容さを感じました。また感覚や感情が刺激されて自然
に会話が生まれ、はじめは雰囲気に圧倒され固かったフジマルチームも賑やかな雰囲気に。ワインの力を改めて強く感
じた 1 日となりました!